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コラム:冒険家に学ぶスイッチラボ的準備術 〜究極の備えとは?〜

2024年10月15日掲載

こんにちは。MYスイッチのスイッチラボです。

このところ急に気温が低くなりましたね。特に朝晩はグッと冷え込むようになり、早くも毛布や分厚い布団が恋しい季節となりました。

日本古来の暦である二十四節気にじゅうしせっきでは、10月8日から22日までを「寒露かんろ」と呼びます。見た目からも寒さを感じる名前の通り、寒くなり葉っぱに冷たい露が落ちるという意味です。それに続く「霜降そうこう(霜が降りるの意味)」の時期を経て、11月の頭(今年は11月7日)には「立冬りっとう」を迎えます。冬の到来もまもなくですね。

あんなに暑かった夏の日も、「ま、そんなこともあったよね」とでも言うように、今年もちゃんと秋となり、冬を迎える準備にとりかかってくれた地球の底力に、なんだかホッとしています。それこそ夏の間は「果たして秋は来るのか?」と一抹の不安を感じた時もありましたが、こうして秋を感じることができてなによりです。今は1日ごとに深まる秋をしっかりと感じ、秋を満喫していきましょう。

そんな季節の変わり目に、つくづく「大事だなぁ〜」と感じることは、次の季節を迎える準備の大切さです。いまだ「夏仕様」のままでは、人一倍寒さを感じて大変ですし、カラダもびっくりして体調を崩してしまいかねません。夏はいつか終わり、秋になり、そして冬が来ることは誰しもがわかっていること。なのに「次に備える」ことを怠ると、自分が大変な目に遭ってしまう・・・今日はそんなお話をしたいと思います。

「備える」ことの達人は、世の中にいろいろいますが、今回スイッチラボが注目したのは、いわゆる「冒険家」と言われる人たちです。冒険家、探検家、登山家、航海家など、目指す場所や状況によって呼び方は変わりますが、彼らに共通しているのは、「未知の領域や状況に挑む」こと。

例えば、1953年のエベレスト初登頂、1911年の南極点初到達、1909年の北極点初到達など、当時誰もが「不可能だ」と言われていたことを「可能」にしてきた人たちが、実際にいるのです。

今ではこの記録も次々と塗り替えられ、人間の可能性がどんどん広がっていますが、最初のチャレンジがなければ、今の記録もなかったわけです。そう考えると最初の一歩を踏み出した勇気は相当のもの。改めてチャレンジしてくれたことに感謝したいと思います。

そんな偉業を成し遂げるために、彼らはどのように準備し、行動し、目標を達成したのか、 興味はありませんか? 来年なのか、もっとずっと先なのかはわかりませんが、いずれ「受験」という大きな山に挑むことになる皆さんにとって、冒険家=チャレンジの達人がどのように「備えている」のかを今知ることは、大きなプラスになると思うのです。

よって今回のテーマは「冒険家に学ぶ、極上の準備の仕方」。例よって例のごとく、スイッチラボ的に深掘りしていきたいと思います。

大胆にして豪快? 冒険家に対するイメージ

さて、ここで恒例の問題です。そんなチャレンジ魂あふれる冒険家たちに、どんなイメージを持っていますか?

・いつも心は少年&少女

・ずば抜けた身体能力と精神力の持ち主

・危険を顧みない度胸と勇気

・イチかバチかの挑戦を繰り返す大胆にして豪快な決断

・自然と一体化できる自由人

・直感型

・ものすごくポジティブで、危険をも楽しめる  

などなど

スイッチラボ的にイメージ調査をまとめてみると、こういったイメージを持つ人が多くいるということがわかりました。

なるほど納得な感じもしますが、でも、本当にそうなのでしょうか? スイッチラボは知っています。真の冒険家は、こういったイメージとは、ほとんど『真逆』であるとを!

もちろん彼らは勇敢だし、ずば抜けた身体能力と精神力も持ち合わせていることは事実でしょう。時には大胆な選択をすることも、直感に頼ることもあるかもしれません。

しかし彼らは、決して軽はずみなことはしません。「なんとかなるさぁ〜」という楽観視もしません。直感だけでも動きません。びっくりするほど慎重で、驚くほど周囲のことを良く見ていて、しっかりと根拠ある判断を下します。

それはなぜかというと、軽はずみなことをしたら、死んでしまうからです。

冒険家たちは究極の状況にいるがゆえに、常に死とは背中あわせ。ひとつひとつの行動が命懸けなのです。だから彼らはものすごく準備をします。綿密にコースを選び、何回もシミュレーションを行い、道具も揃え、身体も鍛え、天気も読み、万全な体制を整えてから出発するのです。しかも、そんな素晴らしきお手本を、ネットや書籍などで、おしげもなく公開し、後に続く者に教えてくれているのです。それに学ばないなんて、もったいない!

ということで、冒険家に学ぶスイッチラボ的準備術を、具体的にまとめてみました。こういう準備をしっかりすることが、本当の「冒険スイッチ」を入れることなのだと、スイッチラボは思います。お、これならできそう、やってみたい、そう「ピン」ときた項目から試していただけると、とってもとっても嬉しいです。

冒険家に学ぶスイッチラボ的準備術

【1】なんとしても目的地に辿り着く <その1:リサーチ編>

受験と冒険、もちろん違いはいろいろありますが、絶対的な共通点があります。それは「現地に辿り着かないと始まらない」ということ。どんなに頑張って勉強しても、シミュレーションを重ねても、本番当日に「現地」に辿り着かなければ、試験を受けることもできないし、冒険の旅も始まりません。

でも、意外とここが落とし穴。勉強にばかり気を取られていると、「現実」という当たり前のことが見えなくなってしまうことも、実は結構多いのです。

逆に、受験当日のアクシデントを、周りの人の機転と優しさで、なんとか間に合い合格したという「美談」も、世の中にはたくさんあります。場所を間違えて焦っていたら、見知らぬ人がタクシーに乗せてくれたおかげで受験に間に合った、とか、トラックの運転手が近くまで乗せてくれた、とか。いずれも心温まる素敵なエピソードではありますが、これらはまさに奇跡。そして奇跡は期待するものでも、都合よく実現できるものありませんから、「そうならないように」かなり前から余念のないリハーサルをしておくことが大切です。

まずは正確な住所の把握(←これ、とっても大事です!)。経路検索を駆使して、どうやったら辿り着けるかをしっかりと頭に叩き込むことが大切です。

この時のポイントは、「こっちがダメなら、こっちがあるさ」と、複数のルートを調べておくことです。たとえば、電車の事故や故障などで電車が止まってしまった。そんな時でも迂回できる方法を事前にいくつか用意しておいたら、ダメージは最小限に食い止めることができます。電車だけでなく、バス、タクシーなど、他の手段での移動も考慮しておきましょう。

たとえローカル線で他の公共の交通手段がないという場合でも、自家用車を使う以外に、「万が一」の時には近所の方のご協力を得られるよう、あらかじめお願いをしておくなど、外堀を安心で埋めておくことも大切です。

「複数の選択肢」をあらかじめ持っておくことは、強い味方になります。「事前に複数の行き方を知っている自分」と、当日アクシデントが起きてから「焦って調べる自分」とを脳内ビジョンで比べてみれば、その差は明らかですよね。

さらに現地には「早めに」到着することがとても大切ですので、何時に出れば良いかも、しっかりとシミュレーションしておきましょう。本番で実力を発揮するためにはギリギリは御法度。焦る気持ち大きいほど、本領発揮から遠ざかってしまいます。

【2】なんとしても目的地に辿り着く <その2:リハーサル編>

現地までたどり着くルートがわかったら、次の段階は実践編、そうリハーサルです。まずはメインルートを使って、受験会場へ事前に足を運んでみるのです。

実際に現地へ向かう最大のポイントは、受験当日と「同じ曜日」「同じ時間」で向かうこと!

その時乗り換えに便利な車両、トイレの位置などもチェックしておけば最強ですね。

リハは平日行うことになるので、実現は難しいかもしれません。自宅から遠いため、おいそれと行けない場合もあるでしょう。でも、休日(土日)と平日では、混み具合も違えば、電車などの運行時間も違います。ここは体験しておくに越したことはありません。

学校を休む、あるいは半休ということになるかと思いますが、その価値はあると思います。先生や親御さんとよく相談してみてください。どうしても難しい場合は、ご家族の協力を得て、詳しいメモを作っていただくなど、チーム戦で臨むとよいと思います。

さらに心と時間に余裕があったら、【1】でお話しした「複数ルート」」についても、リハーサルをしておくと良いでしょう。もちろん全てのルートをくまなくシミュレーションするのは現実的ではないとは思いますが、せめてバス停やタクシー乗り場の位置だけでも把握しておくと、焦らなくて済みますよね。

経験値が「ゼロ」のまま当日を迎えるのと、事前に「1(イチ)」あるいは「2」にしておくのとでは、心のゆとりがまるで違います。早めに「1」にしておけば、それだけ心に余白が生まれます。実力をフルに発揮するためにも、早めのリハをおすすめしています。

【3】持ち物チェックも入念に

冒険者は持っていく物も、とても気を使います。なにせ前人未到の地へ向かうわけですから、

持てる量もおのずと決まってきます。食料、飲み物、衣服、防寒具、道具各種のほかに、備えあれば憂いなしで、便利なものもたくさんありますが、余計な物を携帯することは、逆に自分の命を危険にさらすことになりかねません。生きて帰るためには、何をどのくらい持っていくかが、冒険家にとってまさに命綱いのちづなとなるのです。

受験の場合は、そこまでシビアになる必要はありませんが、「一度限りの本番」で「限られた時間に臨む」ことは同じです。受験票や筆記用具、食事や飲み物など、絶対になくてはならない「一軍」と、あったほうがいい「二軍」(腕時計や防寒具、予備のマスクや常備薬など)をきちんと分けて揃えていきましょう。

また、一軍の場合は必ずリカバリーできる状況も作っておくべきです。受験票のコピーをしておく、筆記用具は必ず複数個用意しておくなども基本中の基本。

とにかく「慌てない」状況を事前に作っておくことが大切です。

事前に「持ち物リスト」を作って、前日の夕方、寝る前、当日朝など、時間を変えてチェックする方法もおすすめです。チェックもご家族と一緒にやる、自分一人でやると、何度も行えば万全です。

【4】体調をととのえることも忘れずに

がんばって勉強して、成績も上がった。リハーサルもバッチリ。入念な持ち物チェックを行い、忘れ物もない。ここまでしっかりと備えたても、当日体調が最悪では、努力した甲斐がありませんよね。

緊張するなというほうが無理なことは痛いほどわかりますが、前日まで長時間フル学習、徹夜で暗記・・・なんてことは、くれぐれもやめてくださいね。

スイッチラボ調べによると、当日ベストな体調でいるためには、だいたい1週間前くらいから、最終仕上げをすると良いと言われています。バランスの良い食事、軽い運動、ゆったりお風呂タイム、しっかり睡眠など、今まで頑張った自分をねぎらいながら、本番に向かう覚悟を作っていきましょう。

そのために役立つ方法を、当スイッチラボではいろんな角度からお伝えしてきました。気楽に読み返して、自分なりのリラックス法を再度試してみる・・・なんてこともおすすめです。

【5】そして、自分を信じる

いくら入念なリハーサルをしたとしても、万全ではありません。何が起こるかわからないのが人生です。突発的な事故や事件に巻き込まれたり、その日のお天気に左右されることもあるでしょう。

ですので、これが一番大切かもしれません。何があっても自分を信じること。

冒険の旅は孤独との戦いでもあります。決めるのは常に自分。状況を判断するのも、その判断通りに動くのも自分です。周りの人がやけに賢く見えたり、準備不足を焦ったり、不安に思う気持ちが芽生えることもあると思いますが、そこはひとつ踏ん張って、ここまでやってきた自分を信じて「できる」と思うことです。

いろんな苦難を乗り越えて「やったー!到達だー!」とガッツポーズをしている自分を脳内で描きながら臨んでください。

大丈夫。あなたにはその価値があります。

はい。いかがでしたか? 世の中で言われる成功の秘訣は「準備9割 残りの1割は、当日の柔軟さ」だと言われます。中でも準備に対する真剣さとストイックさでは、冒険家には大いに学ぶところがあると思います。

これからも大きな冒険、小さな冒険、いろいろあると思いますが、人生はまさに冒険の積み重ね。経験すればするほど強くなれるし、次に同じようなことが起きても、応用や機転が効いて、楽々クリアできるようになる。それが「成長」なのだと、スイッチラボは思います。この記事をきっかけに、冒険家はどうやって準備をしているかなど、自分の目線で調べてみてほしいと思います。成功に続く冒険の旅は、もうそこから始まっているのですから。

ラボのつぶやき

今回は「冒険家」にスポットを当ててみました。改めて「冒険目線」で世の中を見回してみると、漫画やアニメ、映画やゲームの世界でも冒険をテーマにした作品の多いこと! 「ワンピース」や「ハンターハンター」、「ロード・オブ・ザ・リング」に「スター・ウォーズ」、「未来少年コナン」や「ドラゴンボール」もそうですし、「ポケモン」や「ゼルダの伝説」などなど、それこそ挙げればキリがありませんよね。そう考えると、毎日が冒険です。だって、未来は誰も経験したことがないし、1秒先の未来は誰にも見えない「未知の領域」です。

ってことは、私たち全員が冒険者! ならばもれなくワクワクした未来を体験していきたいですよね。そのためには、今できることを一生懸命ガッツでやる。楽しみながら! ・・・なんだかピュアな冒険物が見たくなりました(笑)