コラム:ヤバい!焦った時の強い味方 〜覚えておこう カラダの中の「安心スイッチ」〜
2024年10月1日掲載
こんにちは。MYスイッチのスイッチラボです。
今日から10月。昔ながらの呼び方、正しくは「和風月名(わふうげつめい)」というのですが、10月は「神無月(かんなづき/かむなづき)」といいます。「神が無い(いない)月」だなんて、なんだか縁起が悪そうですが、決して神様が消えてなくなるわけではないのでご安心を。
10月は、年に一度の「神様会議」が島根県の出雲大社(いずもたいしゃ)で開かれ、来年の縁結びなど、さまざまなことが話し合われると言われています。その会議に出席するために神々は日本全国から出雲に出向き、地元を留守にする。だから「神無月」と言い、逆に神様が集まる出雲では「神在月(かみありづき)」と言う・・・
スイッチラボでも、いつからかこのような説明が自然にできるようになっておりました。実際に出雲大社に行くと、「ここが神様の宿泊所です」と案内板が立っているお社(やしろ)があります。なんだか神話のワンシーンのようですが、ここでハッ!と気づいたスイッチラボ。この話は一体いつ頃から伝わっているのでしょうか? その出所は?・・・??深掘りスイッチが入ってしまったので、今がチャンスと改めて調べてみました。
なぜ「神無月」というの?
まずはなぜ「神無月」と書くのか? からです。これも諸説あり、語源は不明ということですが、そもそもこの「無い」は、普段私たちが使っている「なくなる」「失せる(うせる)」という意味ではなく、「〜の」という連体助詞として使われている説が有力です。すなわち、10月は「神が無い」のではなく、ズバリ「神の月」! なんと真逆の意味でした。
あれ?これってどこかでみたような・・・。そう、6月の「水無月(みなづき)」です。梅雨の時期なのに「水が無い」と書いて水無月。これも「無い」のではなく「水の月」という意味なんだよ・・・ということを以前のコラム(「心の「強さ」はどこからくるの?」リンク:https://www.myswitch.co.jp/column/0018/)の冒頭で書きました。そこでもさまざまな解釈がなされていて、日本の文化って実に奥が深いなぁ〜と思ったものです。
では、「神様会議で神様出雲に集合説」は、いったいいつ頃から言われているのでしょう?さらに調査を進めていくと、この説は平安時代の終わり(12世紀半ば)に作られた「奥義抄(おうぎしょう)」という本に書かれているという記事を見つけてビックリです。
奥義抄は、和歌の表現や作法についての解説書で、著者は平安時代の公家であり歌人である藤原清輔(きよすけ)。その中で「神無月」の解釈方法が述べられているとか。出雲説は平?ひとつの教養だったのでしょう。
さらに、同じく平安の終わりから鎌倉時代にかけて活躍した神道家であり歴史学者、儒教学者の卜部兼文(うらべ かねふみ)が書いた『釈日本紀(しゃくにほんぎ)』という書物の中でも、神無月に全国の神々が出雲に集まるという伝説について述べている・・・という情報もゲットしました。
いずれにしても今から1000年をゆうに超える遥か昔から伝わってきた話が、この現代社会でも生き生きと語り継がれている事実に、スイッチラボは改めて「日本ってズゴい!」と感動してしまいました。きちんと書物に記していることも素晴らしいですが、その古い文献をきちんと保管し、今の時代まで守ってきくれた多くの方がいるからこそ、こうしていまも語り継がれていくんですよね。文化、歴史を守ってきた全ての方の努力とご苦労を思うと、胸がじ〜んと熱くなります。ますます日本の歴史、文化を大切にし、次の時代へ伝えたいという気持ちが大きく膨らんだスイッチラボなのでした。
ようやく秋、ですねぇ・・・
さてさて、今朝、カレンダーをめくって、ずいぶん薄くなったなぁと感じた人もたくさんいると思います。今月を含めてあと3枚で2024年が終わってしまうのですから、改めて時の速さに驚かされますね。月日の経つのが早いことを「光陰矢の如し(こういんやのごとし)」と言いますが、矢のスピードどころの話ではなく、レーシングカーか飛行機か、はたまた宇宙ロケットか、くらいのスピード感ですよね。
厳しかった残暑もそろそろ落ち着き、秋の涼しさとともに、そこはかとない物悲しさを感じる季節感も相まって、「このままで大丈夫だろうか?」「努力が足りてないのでは?」「もっとやらなきゃ」「間に合わない」など、ふとした時に不安を感じることが増えてくると思います。それも秋という季節のお役目なのだと、スイッチラボは考えます。
夏は暑さとともに、ドカン!と大きなエネルギーが循環する季節。冬は寒さとともに、じっと静かにエネルギーを貯めこむ季節。ちょうどその間にある秋は「みのりの秋」と言われるように、夏に得たエネルギーで実を結び、次の春に芽吹くためのエネルギーを上手に溜めていけるよう、その下準備をする季節でもあります。暑くもなく寒くもなく、空気も澄んでいるのでまわりの景色もクリアに見えるし、秋の夜長に自分と冷静に向き合う時間も持てる。要するにいろんなことに「気づける」季節なんですね。ですから、この時期に「ヤバいっ!」「このままじゃマズい」と感じることは、大いに結構!素晴らしい感性の持ち主だと、スイッチラボは高く評価します。「ヤバい」「マズい」というそこはかとない不安感は、次のステップへ向かう準備ができたという合図。ならばその先へ向けて、一歩踏み出すだけです。
不安の反対、な〜んだ?
さて、ここで恒例の問題です。不安の反対は、な〜んだ?
そう、「安心」ですよね。豊かな日本語を使えば、「安らぎ」「平穏」「平和」「安寧(あんねい)」「穏やか」「落ち着く「ホッとする」などなど。こんなにいろんな言い方ができる日本語って本当に奥が深いですが、いずれにしても、焦りや恐怖、心配や恐怖などと無縁の状態でいることが、不安の反対、安心です。
不安に思うこと、不安を感じること自体をなくすことはできません。どんな立場になっても、どんなに偉くなろうとも、たくさん経験を積んで、それこそおじいちゃんやおばあちゃんになっても、ふとした瞬間に不安はひょっこり顔を出します。これはもう人間の、いや生物としての生存本能です。だからこそ不安を感じる自分が弱いわけでも、悪いわけでもありません。むしろ不安を感じる優れたセンサーを持っている自分すごい!くらいに思っておいてください。ここ、大事なところなので、しっかりインプットしてくださいね。
どうやったって不安は出てくる。ならば出てきた瞬間に「なんとかする」方法を知っていれば安心です。不安は放っておけば気づかぬうちに育ってしまうもの。なぜなら本人の意思に関係なく、時間とエネルギーを与ええれば与えるほど、勝手に育っていくからです。手を打つなら早いのに越したことなし!
ということで、「あ、ヤベ・・・」と感じたらサッと押せる『安心スイッチ』を、今のうちから持っておこう! 自分なりの安心スイッチを今から作っておこう! というのが、今回の本題です(やっと到達しました 笑)
安心スイッチは、一人一人違って当たり前だし、どんなものをスイッチにしても構いません。スイッチは自由自在。現にスイッチラボでは、さまざまなスイッチの作り方のヒントを、このコラムを通してお伝えしてきています。
なので今回は、いつもとちょっと視点を変えて、「自分のカラダの中にある」安心スイッチの場所をいくつかお伝えしたいと思います。要するに「ツボ」ですね。
軽く押すだけなので、覚えれば誰でも簡単にできますが、「これが安心スイッチになる」と、自分が納得するまでに、多少の時間がかかります。また、心地よい押し方や、本当にリラックスして安心感を手に入れられるかも、ある程度慣れが必要です。ですから、本番までまだ何ヶ月もある秋の今から練習しておくことが大切なのです。なにごとも急にはできません。ローマも人も「一日にして成らず」です。ゆっくり練習して、慣れていきましょう。慣れと練習。これも安心スイッチの効果をより強めてくれる大事な要素ですから。
こんなにあるぞ! 身体の中の「安心スイッチ」
カラダを使って不安を取り去る最も簡単な方法は「深呼吸」を何回か繰り返すことなのですが、不安や緊張が強いと、最初から深い息は吸えないもの。深い呼吸をしようとして、かえって緊張しちゃう・・・なんてことも起きがちですから、まずは身体の一部を触ったり押したりすることで「スイッチオン」にできる場所をお伝えしますね。
【1】手の中の安心スイッチ
自分のカラダの中で、最も自然に触れるのが「手」だと思います。手を組む、手をさする、指を組むなど、手指を動かすだけでも効果がありますが、もっと効果的に安心モードに突入するためには、自律神経が整う「ツボ」の場所を知っておくと良いでしょう。
手のひら、手の甲にもたくさんのツボがありますが、覚えて欲しいのは次の3つ。
自律神経を整えるのに効果的な、手にあるツボを3つ紹介します。これらのツボを刺激することで、リラックス効果やストレス緩和が期待できます。
(1) 合谷(ごうこく)
手の甲側、親指と人差し指の骨が交わる部分の少し人差し指寄りのくぼみ。自律神経を整える代表的なツボで、ストレスや頭痛、肩こり、疲労感を緩和します。
(2) 内関(ないかん)
手首の内側、手のひら側の手首のしわから、ひじに向かって指3本分下にある
腱の間のくぼみ。ストレス軽減や心の安定の他に、乗り物酔いや消化器系の不調の改善にも役立ちます。
(3)神門(しんもん)
手首の内側、小指側の手首のしわの少し上、腱の間のくぼみ。
精神的なリラックス、不安感の緩和に効果が高いといわれるツボです。
【2】安心・耳スイッチ
耳にもたくさんの神経が集まり、ツボもたくさんあります。耳をちょっと触ったり、軽くもんだりするだけで血行が良くなり、自律神経が整うと言われています。しかも即効性があり、疲れ目やダイエットにも効果があるといわれているので、この機会に「耳」に注目してみてはいかがでしょうか。
最近はイヤホンを長時間使う人も多いので、耳がお疲れの人も増えているかもしれません。
試しに今、ご自身の耳を触ってみてください。耳の周り(外耳)が硬くなっている、触ると少し痛みを感じるという場合は要注意。優しくあまり力を入れずに、つまんだり、もんだり、ひっぱったりして、耳をやわらかくしていきましょう。数秒も触っていれば、なんとなくカラダがポカポカしてくるなど、変化を感じられるはずです。
耳ツボ療法はいろんな手法がありますので、検索して自分に合ったもの、気に入ったのを見つけていただければと思いますが、スイッチラボが「お、いいね」と思ったのは「神門(しもん)」というツボを重点的に押す「神門メソッド」です。手にも「神門」というツボがありますが、耳にもあるんですよ。
やり方はネットで動画もたくさんでていますし、解説ページもありますので、ぜひチェックしてみてください。
【3】お道具スイッチで静かに自分を取り戻す
手と耳の安心スイッチで、ふと気づけば呼吸も自然と深くなっているはず。そこで3つめはカラダではなく、最も身近な勉強道具をスイッチにする方法をお伝えしたいと思います。
今、お使いのペンケースには、色とりどりのペンやシャーペンなどが入っていると思います。まずはケースからいったん全部のペンを取り出して、長さ順に並べてください。自分がどんな道具をいつも持ち歩いているかを、改めて「知る」ことがスタートです。
空になったペンケースを改めて見直しましょう。何が見えますか? 隅のホコリやゴミが溜まっていたりしませんか? 目につくゴミをきれいに取り去り、汚れを拭いたりして、ケース自体をきれいにしましょう。
ケースがきれいになったら、必要なもの以外はケースの中にしまいます。最初のペンケースとはもう様子が違いますね。もうここでスッキリしているはずです。
今日使うものを机の上に並べていきます。鉛筆はここ、消しゴムはここ、定規はここ、と定位置を決めます。
定位置におくためには、机が片付いていることが前提になりますよね。すると、道具を並べるために机やその周りを片付けて、自然と空間を作るようになります。
空間が整うと、自然と自分の姿勢も整ってくるもの。こうしてひとつひとつ道具と丁寧に向き合うことで、いつのまにか不安を忘れて静かな自分になっていることに気がつくはずです。
今回はペンケースで説明しましたが、いつも使っているカバン、お財布、化粧ポーチ、ケーブルなどの小道具をしまうケースなどでも同様の効果が見られます。毎日する必要なないかもしれませんが、定期的によく使う道具を1対1で向き合う。きれいにしてあげる。こんななんてことない作業、所作の中にも、「安心」を得られるスイッチが潜んでいるのです。ラボメンバーも実際にやって、想像以上の効果を感じておりますので、ものは試しで実際に試していただけるととっても嬉しいです。
最後になりますが、不安の解消法は、『ヤバい!もう12月?! 〜不安の正体に迫る〜』でも取り上げているので、時間があったら合わせて読んでみてくださいね。さらに安心スイッチの効果があがると思います。
今回はカラダの中にある安心スイッチとして、いくつかの「ツボ」に焦点を当ててみました。ツボ治療は2000年以上前の古代中国で生まれた治療法です。慢性的なコリや痛み、ストレスや不安の緩和、消化器系の改善などに効果的だと言われていますので、知っておいて損はないと思い、ご紹介しました。西洋医学的な最新医療の知識ももちろん大切ですが、良きものはなんでも使ってみよう!の精神で、こういった古代からの智慧も併用して活用していきたいですね。転ばぬ先の杖は、何本あってもよいものですから(笑)