宝ものは君たちの中にある

コラム:333の法則と脳を喜ばせる方法

2024年7月15日掲載

こんにちは、MYスイッチのスイッチラボです。

まずは、暑中お見舞い申し上げます。

「暑中見舞い(しょちゅうみまい)」・・・もうこの言葉すら知らない年代がいるかもしれませんね。暑い中、どうしてる? こっちも元気だから安心してね・・・そんな風に相手を思い、こちらの近況を伝える夏の挨拶が「暑中見舞い」です。

昭和・平成の時代は、ハガキで暑中見舞いを出すのが一般的でしたが、今はほとんど見かけなくなってしまいましたが、時代は変わっても相手を気遣い、思いやる気持ちは変わらないはず。年賀状にしても、暑中見舞いにしても、相手の負担にならずに、短い言葉で心を通わせることができるのも、実に日本らしくて素敵なところ。今年は現代の飛び道具であるメールやSNSのメッセージ機能を使って、夏のご挨拶をしてみてはいかがでしょうか。

ちなみに「暑中」というのは、前回のコラムでも触れました「暦(こよみ)」にちなんでいます。今は「小さい暑さ」と書いて「小暑(しょうしょ)」の時期。まったく小さくなく、すでに特大級の暑さになっていますが、この後7月23日頃から8月の6日頃までが、暑さのピークとなる「大暑(たいしょ)」です。このように大小の暑さの中に出すご挨拶だから「暑中」というわけ。実に理にかなっていますね。

さぁて、今年の大暑はどれほど大きな暑さがやって来るのか・・・今から覚悟を決めておいた方がいいかもしれません(笑)暑さが続くと気をつけなければならないのが、「熱中症にならない」ことです。

熱中症対策の基本は、

1)こまめな水分補給(のどが渇く前に飲むのがポイント)

2)体温調節(とにかく涼しさキープ。熱が篭らないよう気をつけて)

3)塩分やビタミンを取るのも忘れずに

の3つ。すでにご存知だと思いますが、今一度、脳に正しくインプットしておいてくださいね。

覚えておきたい「333」の法則

さて、熱中症対策のキモでもある水分補給。私たちが生きていくために欠かせないのが「水」です。

ではここで問題です。人は水だけで、どのくらい生きられると思いますか? 3日? 1週間? 10日くらい・・・???

もちろん、その人の体力や周りの環境などによっても違ってきますが、「一滴たりとも」水を口にしない場合は2〜5日、長くて7日ほどで命を落とす・・・という説が一般的なようです。

では、「何も食べない」場合は、人はどれだけ生き延びることができるのでしょう? 水分をしっかりとって、ちゃんと眠ることを前提とすると、最低でも2~3週間、生命力のある人だと1ヶ月、最長2ヶ月は生きられるという説を唱える人もおりました。

「え? そんなに?」と思うか、「え? それしか?」と思うか、受け止め方は人それぞれですが、ラボ的には「結構大丈夫なんだなぁ」というのが素直な感想です。

では、本日2つ目の問題です。水を飲まなくても、人は何日かは生きられます。では「空気」はどうでしょう? 空気(酸素)がなくなった場合、人はどのくらい生きられるのでしょうか? 

これも諸説ありますが、「ウィキペディア(Wikipedia)」の記述を参考にしてまとめてみると・・・

・数秒~数十秒で軽い呼吸困難を起こし

・30秒から激しく苦しみだし

・60~90秒で意識を失い

・1分で呼吸中枢の機能停止

・数分~15分で心肺停止

・その後死亡・・・

・・・だそうです。こ、これはかなりの衝撃ですよね。先ほどの水や食べ物と「単位」がまるで違います。「秒」や「分」ですから、まさにあっっ!という間です。

なのに、私たちは普段、空気の存在など、気にとめていませんよね。そう、「あるのが当たり前」と思って生きています。それは空気が目に見えないし、無味無臭だし、触ることもできないからだと思いますが、この機会に空気をはじめ、水や食べ物の大切さ、そして「いのち」のありがたさを、みんなで再確認していきたいと思います。

大切なのはわかった。でも、もっと「ガツン!」とハートに届く言葉はないものか? スイッチラボの「調べスイッチ」は第二段階に進み、さらに深掘りしていくと、素晴らしい言葉を発見しました。それは『サバイバル・333の法則』というものです。

空気がなければ3分間

水がなければ3日間

食べ物がなければ3週間で

人は死ぬという

なんてわかりやすいのでしょう!! この標語を見つけた時、ラボメンバーは正直、震えました。

この「333の法則」は、特定の個人が考えたものではなく、サバイバル訓練や緊急対応のガイドラインの一環として、広く認識されているようです。でも、最初に思いつた方やチームがいるはずですよね。素晴らしい才能&言葉のセンスだと、スイッチラボは大いにリスペクトし、広めていきたいと思いっています。

ちなみに、この「333の法則」はいろんなパターンがあるようです。例えば、被災したときの身の安全を守る「3分、3時間、3日間」であるとか、人の第一印象を決める「見た目3秒・挨拶30秒・会話3分」といった感じです。なるほど〜と感心することしきりですので、ピンときた方は、ぜひ調べてみてください。見識が広がりますよ。

脳・酸素・呼吸、3つの関係を見直そう!

空気・水・食べ物の大切さがわかったところで、ここからは「脳と酸素の関係」を深掘りしていきましょう。

私たちのカラダに十分な酸素を取り込む方法は、そう「呼吸」ですね。呼吸も普段は無意識にやっているものなので、普段は気付かぬうちにやっていますが、その役割は必要な空気をいい感じに体内に取り入れ、役目を終えた空気を体の外に出す、これが呼吸です。

ちなみに「呼吸」という言葉は「呼(こ)」と「吸(きゅう)」という2文字からできていますね。「呼」は「呼ぶ」、すなわち「声を出す」「息を吐く」という意味があります。そういえば息を吸いながらでは、良い声は出せませんよね(ヒュー・・・みたいな変な音は出せますが 笑)。そして「吸」を訓読みにすると「吸う」ですから、ズバリ「息を吸う」という意味を持っているのです。

ということは?! そうです! 呼吸とは、吐いてから、吸う! この正しい順番を、「呼吸」という2文字が、さりげなく教えてくれているのです。十分に息を吐くと、あとは意識しなくても、必要な量の空気を自然と吸い込むことができるので、呼吸のポイントは「十分に吐く(=吐き切る)」ことだということも、覚えておいてくださいね。

さてさて、ものを考えたり覚えたりするのに、かかせないのが「脳の活動」ですね。ここでも驚きの数字をお伝えいたしましょう。これも個人差がありますが、脳の重さは成人では大体、体重の2〜3%くらいだと言われています。それに対してなんと! カラダに取り込んだ空気(酸素)の約3分の1が直接脳に行き、その量が多いほど、脳の働きが良くなるという報告がされているそうです。

たった2〜3%の小さな部位が、全体の3分の1という大量の空気を使っているというのですから、ラボも改めて驚いてしまいました。やっぱり数字で見ると、説得力が違いますね。

そんなに空気を大量消費する脳ですから、しっかり取り込んであげないと、脳はすぐに酸素不足を起こしてしまいそうですよね。実際、脳は結構頻繁に「もっと酸素や栄養が欲しいよ〜」と、私たちに「サイン」を送ってくれているのです。

もっとも身近なサインは「あくび」です。あれは眠いからあくびが出る、のではなく、「空気が不足気味」→「眠くなる」→「もっと酸素ちょうだい〜」というように、先に脳が酸素不足をキャッチして、空気をたくさん取り込もうとして、あくびを出しているのです。

ご飯を食べたあとに眠くなるのも、同じような理屈です。カラダのエネルギーの多くを「消化」に使うため、エネルギーをたくさん使う脳は、「ちょっと消化作業が落ち着くまで休んでいてね」、という状態なんですね。このように見ていくと、人のカラダって、本当によくできていますね。一体誰が、どうやって作ったのやら・・・。まさに「神業(かみわざ)」としか言いようがありませんね。

ほかにも「もっと酸素が欲しいよ〜」のサインは、

・頭痛

・めまい

・集中力の低下

・記憶力の低下

・疲れを感じる

・呼吸が浅くなるなどありますが、きわめつけは「眠気」です。とにもかくにも眠くなったら、それはもう脳が「休みたい」「休ませて」と言っています。そんな時は無駄な抵抗はやめて、短時間でも眠るとスッキリしますよ。ただし、昼寝は寝すぎると逆効果。10分でかなりリフレッシュでき、20分がベストパフォーマンスを発揮できるという報告もあります。長くても30分以内に収めましょう。

脳が「ごきげん」に働く具体的な方法

それでは最後に、脳が疲れた、もっと酸素が欲しいと、さまざまな「サイン」を送ってくれたときの、具体的な対処法をお伝えして、今回のコラムを締めたいと思います。

疲れたら休む、眠くなったら寝る・・・いつもこんなふうに自由に振る舞えればよいのですが、現代社会に生きる私たちにとって、それが許されない場面も多々ありますからね。普段から「脳とおり合いをつける」方法を覚えておくと、何かと便利ですし、気が楽になると思います。

1)「あくび」が出始めたら、ちょっと動く

繰り返しになりますが、「あくび=酸素をちょうだい」というサインです。席をたてるようなら少し歩いたり、手足を動かしたり、首を回したり、伸びをするなど、軽くストレッチをするといいでしょう。その場から動けないようなら、指をグーパーする、手首や足首を回す、座り直す(姿勢を変える)だけでもずいぶん違います。

2)窓を開けて深呼吸

新鮮な空気をたくさん体内に取り込んであげると、脳が喜びます。その時のコツは、そうです! ますは息を吐く、そして吸う、です。机に向かって座りっぱなしの姿勢が続くと、どうしても呼吸が浅くなってしまいます。10分経ったら深呼吸・・・というように、自分なりのリズムを決めておくのも良いでしょう。

3)手を洗う

お家にいるならば、顔をバシャバシャ洗うのがベストですが、外出先ではなかなかできませんよね。そんな時は冷たい水で手を洗いましょう。これだけでかなり気分が変わります。手のひら、甲はもちろん、ヒジあたりまでを洗うとさらにリフレッシュ効果UPです。

4)甘いものを食べる

脳がエネルギーとして利用できる唯一の物質が「ブドウ糖」です。疲れた時の甘いものチャージは即効性がありますので、ラムネやタブレット、チョコレート、キャンディーなどを適宜摂るとよいでしょう。またビタミンB群も脳が喜ぶ栄養素なので、ご飯やパン、卵、ナッツなども良いといわれています。たた食べすぎると眠くなりますので、ほどほどに。

5)カフェインや乳酸菌を摂る

「眠くなったらカフェイン」は、多くの人が実践していると思います。コーヒー、紅茶、日本茶などを飲むと、気分転換にもなるのでおすすめです。意外かもしれませんが、乳酸菌飲料も脳に良いそうです。腸は「第二の脳」と言われているので、腸が喜ぶもの脳も喜ぶのかもしれませんね。

6)適宜マスクを外す

最近のマスクは通気性が優れているとはいえ、やはり息苦しく感じることもありますよね。特に脳が疲れてきた時は、思い切って外して深呼吸してみましょう。もちろんそれが許される場所に限りますが、それだけでかなりの開放感が味わえるはずです。

7)スッキリする良い香りを嗅ぐ

脳と香りはとても深い関係にあります。そして脳が最も早く反応できるのが、香りなのだそうです。一説によると、なんと0.2秒で、脳は香りに反応するのだそうです。はやっ! びっくりするほどのスピードですね。スッキリするミント系や柑橘系の香りが良いとされていますが、自分の好きな香りが良いと思います。お気に入りのアロマを小さな小瓶などに入れて、持ち歩くのも素敵ですね。

8)口呼吸に気をつける

そして、これは意外と見逃されていることなのですが、口呼吸では効率よく脳に酸素を送ることができません。脳以外の場所には影響はないそうですが、脳への酸素の共有量が減ることがわかっています。すぐには治せないかもしれませんが、口呼吸に気づくたびに、意識して鼻で呼吸を繰り返しやることで、だいぶ改善されるようです。お試しください。

最後にユニークな方法(実話)をご紹介。スイッチラボのメンバーには「集中力が欠けてきたら、全力で走る!」というツワモノがおります(笑) もちろんそれが許されるシーンでしかやりません(できません)が、ほんの数分、なんなら1〜2分でも、全力でダッシュしたり、階段を駆け上ったり降りたりするんだとか。そうすることで心拍数がグッとあがり、ものすごくシャキン!とするのだそうです。かなり個性的な方法かもしれませんが、このメンバーのように、自分なりの覚醒法を探してみるのも楽しいですよね。自分は走るのが向いているのか、それとも呼吸派か、飲食派なのか? あれこれ試してみて、自分にしっくりする方法で、あなたの脳をよろこばせてあげてください。

ラボのつぶやき

はい。今回はスイッチラボの「調べスイッチ」が気持ち良いくらい、たくさん入りました。いろいろと情報をキャッチしましたので、今回お伝えできなかったことは、また別の機会にお話したいと思います。

でも、ひとつだけ。333の法則では「食べないと3週間」でしたが、「食べない最高記録は?」という調べスイッチが入りました。すると、あるんですねぇ。ギネスの記録が。

1971年版のギネスブックに載った断食の世界最長記録保持者は、スコットランドのアンガス・バルビエーリさん(男性)。水、茶、ブラックコーヒー、炭酸水とビタミン、ミネラルは取っていたということですが、なんと382日! 1年と22日というとんでもない日数を、何も食べずに生き抜いたのです!

さらに驚いたのが、この長期断食によるダイエット効果。「体重が207㎏から、自身の目標体重である約82kgになった」と書いてあり、思わず数字を2度見してしまいました。なんと125㎏も体重が落ちた計算になります。

すごくないですか? ちなみにこの記録は未だ破られていないとか。ネット検索すると、バルビエーリさんの衝撃の写真も見られますので、ぜひ。ラボ的には一見の価値ありだと思います。いやー、人間ってすごい!!