宝ものは君たちの中にある

コラム:冷やすな危険! スイッチラボ流・夏のからだのととのえ方

2024年7月1日掲載

こんにちは。MYスイッチのスイッチラボです。

今日から7月。2024年の後半の始まりです。なんだかついこの間「明けまして・・・」と言っていたような感覚ですが、あっという間に半年が過ぎてしまいましたね。この調子でいくと、後半もあっ!という間。気が付けば「良いお年を〜」なんて言っているのかもしれませんね。

さて、今年は梅雨入りも全国的に遅く、さらに「ラニーニャ現象」の影響で長く暑い夏になる・・・なんて予報が出ていますね。去年も十分暑かったように記憶していますから、これ以上暑くなったら、どこかが溶けてしまうかもしれません(笑)。

でも暑い暑いと言っていても、暑さがやわらぐわけでもありませんね。ここは風流に、そしてちょっとアカデミックに、日本古来の暦である「二十四節気にじゅうしせっき」を使って、「日本の夏」がどのくらい続くのかを、頭と感覚の両方で感じてみましょう。

文字で味わう日本の夏

「二十四節気」とは、一年を24個に分けて、それぞれに漢字2文字の素敵な呼び名をつけたものです。ひとつの節気せっきはだいたい15日ほど続き、次の名前にバトンタッチしていきます。

奇しくもこの「スイッチラボ」のコラムも15日周期で更新しています。特に24節気に合わせたわけではないのですが、15日ごとに物事が進む・・・というのも、日本特有のリズムなのでしょう。図らずもそんな素敵な日本のリズムに自然と同期できていることが、なんだかとっても嬉しいスイッチラボなのです。

話は戻って、本日7月1日は「夏至げし」の期間です。6月21日に「夏至げし」を迎え、その日が一年のうちにもっとも昼が長く、夜が短い日となりました。次の節気である「小暑しょうしょ」に変わるのが7月7日の七夕あたりから。「小さく暑い」と書いて「小暑しょうしょ」と読みます。この頃すでに夏の暑さは本格的に。「ちっとも小さくないじゃん(笑)」というような暑さに見舞われると思います。

そして15日間が過ぎ、7月23日ごろから「大暑たいしょ」となります。大きな暑さですから、もう見ただけでも暑さを感じる漢字ですよね。もちろん小暑の頃から十分暑いのですが、7月も後半になると、名実ともにというか、正々堂々と「暑いっ!」と言える季節となるわけです。

大暑の次は「立秋りっしゅう」を迎えます。いきなり「秋が立つ」と言われても、まだ8月初旬です(8/7頃)。暑さ全開で、秋を感じるどころではないかもしれませんが、そんな厳しい暑さの中でも、秋を待ちわび、「秋よ、早く来い」と願う、当時の日本人の美しい心を、感じてみようではありませんか。

立秋を過ぎると「処暑しょしょ」(8/22〜)を迎えます。処暑の意味は、「だいぶ暑さも収まってきたねぇ・・・」という意味です。続いて迎えるのは「白露(はくろ)」(9/7〜)。日中は残暑が続きますが、朝晩はだいぶ涼しくなって、つゆが、特に「朝露」が白っぽく見えるよね・・・という時期になります。言葉もだんだん涼しげになっていきますね。

そして白露を過ぎると、いよいよ「秋分しゅうぶん」。ご存知、春分とならんで、昼と夜の時間が同じになる日です。そしてこの秋分を境に、だんだんと夜が長くなり、「あき夜長よなが」が楽しめる季節になっていく・・・というわけです。ちなみに今年の秋分の日は9月22日です。

ところで「暑さ寒さも彼岸(ひがん)まで」という言葉を聞いたことがありませんか?

お彼岸は年に2回あり、今年の春のお彼岸は3月17日(日)から3月23日。秋のお彼岸は9月19日(木)から9月25日(水)までとなります。

少しのズレはあるものの、「暑さ寒さも・・・」という言葉通り、だいたい9月も20日前後を過ぎれば、厳しい残暑も収まって、秋の涼しい風を感じる季節となるのです。

いかがですか? なんとなく節気の呼び方と季節の移り変わりが、イメージできたでしょうか? こうして改めて季節を表す言葉を感じてみると、昔の日本人の感性の豊かさ、表現の美しさに感服しますね。これぞ「みやび」な世界。大切に伝えていきたいですね。

さて、暑さをシミュレーションした結果、7月7日の七夕あたりから、9月の初め頃までの約2ヶ月が「めっちゃ暑い」夏本番となることがわかりました。この2ヶ月をどう乗り切るかが、受験本番となる1月2月3月の、めっちゃ寒い季節の体調に大きく影響を及ぼすことになる・・・といったら、皆さんはどう思いますか?

またまたー、そんなこと言っちゃってぇ〜〜と、軽く受け流すでしょうか?

「夏を制する者は受験を制す」という言葉がありますが、スイッチラボでは2つの意味で解釈したいと思います。ひとつはノーマルに、夏休みを利用して、基礎をバッチリやって不得意を克服する・・・といった意味。そしてもうひとつは「夏の間にカラダをととのえる(調える)」ということです。ちょっと前からサウナ人気がきっかけで「ととのう」という言葉が市民権を得ていますが、「ととのう」は「整う」とも「調う」とも書くことができます。そして、「カラダ(体)」が「調う」と書いて「体調」です。そうです。まさに夏こそ「体調管理」を意識して行うと、冬も頑張れるカラダがつくれる、というわけなのです。

どんどん暑くなる夏 でもおなかの「冷やし過ぎ」には要注意

今や「日本南国化現象」と言われるほど、日中の気温がどんどん高くなっています。ちなみに昨年(2023年)の日本最高気温は、8月5日に福島県伊達市、10日に石川県小松市で記録した40.0度。「日本でもっとも暑い日」は、2007年に74年ぶりに記録更新となった埼玉県熊谷市と岐阜県多治見市の40.9度です。インフルエンザ級の高熱が出た時の状態が外気なのですから、もはや尋常じゃありませんね。

このような危険ともいえる暑さの中では、熱中症対策はとても大切です。こまめに水分を取る。塩分も忘れずに取る。冷やすなら首の後ろや脇の下、太ももの付け根など、太い血管が通っているところを積極的に冷やす。これ、命を守るためのワザですから、この機会にぜひ覚えておきましょうね。

猛暑日には効果的な「冷やしテク」を駆使するのは大切なことですし、暑い日のアイスにかき氷、キンキンに冷えたお茶やジュース。あれは本当に美味しいですよね。「く〜〜たまらん!」と、思わず声が出そうになります。でも、冷たくて気持ちいいのは、「首から上」の話。冷たい物を飲んだり食べたりし過ぎると、内臓、特に「おなか」は、かなりのダメージを食らってしまうのです。ですから、スイッチラボは声を大にしていいます。「おなかだけは冷やしちゃダメなのよ」と。

では、ここからは「おなかの気持ち」になって、読んでみてくださいね。まず、冷たいものを受け止めてくれるのは「胃」です。そして腸へとつづきます。胃がごきげんに動く温度は、だいたい38度くらい。腸も36~37度くらいに保たれています。カラダの表面温度(体温=平熱)よりカラダの中の方が、やや高温なんですね。

では、冷蔵庫から出したばかりの飲み物は、何℃くらいだと思いますか? だいたい8℃なんだそうです。冷蔵庫の最低温度設定が8℃だということで、お茶でもジュースでも牛乳でも、8℃くらいに冷えていると思って間違いないようです。胃の中との温度差、なんと30℃! いきなりごくごく飲むと、一気に冷たい液体が胃中に流れ込むことになるのですね。胃はさぞビックリしていることでしょう。

アイスが何度か、知っていますか?

では、アイス類はどうでしょう? 調べてみると、ちょっと衝撃でした。

ソフトクリームは-5〜-7℃くらいで、かき氷は-5℃から-10℃くらい。―2〜-5℃くらいのときに削ると、ふわふわのかき氷ができるそうです。ジェラードの食べ頃温度は-8℃~-10℃くらい。そして、アイスクリームが美味しいと感じる温度は、なんと-15〜-18℃くらいなんだそうです。

「え? そんなに低いの?」と思いませんか? 冷たくて美味しいいなぁ〜・・・なんて思って食べてはいましたが、まさかそんなにも「マイナス」の温度だったなんて、スイッチラボメンバーも、今まで全く意識していませんでした。猛省しております。

さて、カラダの中は常に体温を一定に保とういう機能が働いているので、冷たいものを食べたからといって、すぐに凍えるようなことはないし、一瞬寒くなったとしても、いつの間にかまたフツーの状態に戻りますよね。逆に熱々のものを食べた時には汗だくになっても、そのうちスーッと引いて、フツーになりますね。こういうことを自然とやってのけるカラダって、本当に賢いなぁと思いますが、冷たいものを食べ過ぎる、もしくは食べ続けるとどうなるか? そうなんです。内臓が正常の温度に戻ることができなくなり、冷えたままになってしまうんです。

胃腸が冷えるとどうなるか? まず血行が悪くなります。血行が悪くなると、内臓の機能が低下し、しっかり消化吸収できなくなっていきます。胃がもたれたり、痛みが出たり。食欲不振や少食になっていきます。ろくに食事を取らなくなると、当然、栄養と水分が十分にカラダに行き渡らなくなるので、元気が出ない、やる気が出ない。思考能力も落ちていく・・・。

そんな時、アイスや冷たいスイーツなら喉にとおりやすいので、自然と冷たいものばかり食べるようになり、さらにカラダ冷えてきます。そうこうしているうちに自律神経も乱れてしまい、疲れが取れない、だるい、食欲がない、冷たいものなら食べられる、もっと冷える・・・という無限ループに・・・(きゃー)。どうです? そんなループ、ハマりたくはありませんよね。もちろんこれは極端な例ですが、冷えは万病の元、といいます。皆さんも冷たいものばかり食べてお腹が痛くなった経験があると思いますが、あれもカラダのひとつの正しい反応。「もう食べるのやめててぇ〜〜」と、訴えているのです。

冷えが呼ぶ、もうひとつの「コワイ」もの

体調不調に加え、もうひとつ「別の角度で」コワイ話をしちゃいますね。それは「冷えると太る」という相関関係です。これも諸説あるようですが、実際に「冷え太り」なる言葉もあり、その分野の研究も進んでいるようですし、何よりスイッチラボが独自ルートで入手した情報によると、トップクラスのモデル事務所が所属のモデルさんたちに徹底した「冷たい物禁止令」を出しているとのこと。絶対条件で、ちょっとでも違反したらモデル失格、なんだそうです。

飲み物に氷は入れない。アイスやビールなどとんでもない。夏でも常温かあたたかい物を飲み、肌は露出しないなど、常カラダを冷やさないよう気をつけているそうです。その話を聞いたときは驚きましたが、美を追求するプロフェッショナルは、そこまで徹底して、ストイックに冷えと戦っているんですね。そのプロとしての意識の高さに、感動すら覚えたものです。

なぜ冷えると太るのか? これも諸説ありますが、スイッチラボが「なるほどなぁ〜」と思ったのは、ひとつは人間の生存本能が働くからという説。カラダが冷たい状態が続くと、命が危ない!と判断し、脂肪で守ろうとするというのです。

そしてもうひとつは基礎代謝説。人間は何にもしなくても(起きているだけで)エネルギーを使っており、それを「基礎代謝」といいます。体温が1℃下がると基礎代謝がぐんと下がり、基礎代謝が下がると、体内のエネルギーがうまく消費できなくなります。エネルギー燃焼の元は脂肪ですから、要するにうまく燃やすことができない脂肪が、どんどん溜まっていく・・・というわけです。これも結構「コワイ話」ですよね。

スイッチラボ流、からだのととのえ方 まずは「おなか」と向き合おう!

とはいえ、夏の暑い日に、冷たいものを飲んだり食べたりできないなんて、何の罰ゲーム?という感じですよね。「冷やし過ぎ」がダメなだけで、ちょっと冷やす、一時的に冷やす、ほどよく冷やすのはもちろんOKです。

そこでスイッチラボからの提案です。冷たいものとの付き合い方を、ちょっとだけ変えてみるだけで良いのです。ポイントは「お腹を冷やさないこと!」ここさえ守れば、あとはわりと大雑把でも構いません。

たとえば・・・

・寝起きと寝る前には冷たいものは取らない。のどが渇いたら、常温か、ぬるめのお茶を飲む(麦茶など、ノンカフェインのものがおすすめ)

・朝はあたたかいものを取る。お味噌汁、スープ、日本茶などは理想的。コーヒー、紅茶はカフェインが強いので、何か食べてから飲むことをおすすめします。

・冷房の効いた場所では、なるべく温かいものを飲む

・冷たい物の「一気飲み」や「がぶ飲み」をしない。少しずつ、ゆっくり飲む

・アイスの類も一度にたくさん食べない。食べる量を決めておき、誘惑に負けないように自制する

・食事のときは、なるべく常温か温かい飲み物を選ぶ(キンキンに冷えたものは胃に負担をかける)

・冷たいものと温かいもの、バランスよく食べたり飲んだりする(さっきアイス食べたから、今度はホットの紅茶を飲む・・・という感じ)

・おなかを出して寝ない。暑くてもせめてタオルをかけよう。

・夏でも「腹巻」を常用する。夏の素材はシルクがおすすめ。一枚あるだけでも暖かさと「守られている感」がまったく違います。

とまぁ、こんな感じです。

こんなことでいいの? と思ったかもしれませんが、いいんです。たったこれだけでも、やるとやらないのとでは、大きな差が開きます。

特に「腸」は「第二の脳」と言われるほど、賢くて大切な臓器です。血液も腸でつくられているという説もあり、ストレスにも多いに関係すると言われています。詳しい腸活法については、また別の機会に深掘りさせていただきますが、極端なことを言えば、特別胃腸が喜ぶことをしなくても、「冷やさないであげる」ことが、一番の“胃腸孝行”になるのです

自分のおなかがどれだけ冷えているかは、直に触ればすぐにわかります。ひんやり冷たさを感じたら、おなかが冷えている証拠です。冷たいものはなるべく避けて、生姜やシナモンなど、カラダを温めるスパイスなどを積極的に取る、カラダを動かす(散歩でもOK)、ヘソ出しファッションは少しの間が我慢するなど、地道におなかを触りながら、対話を続けていけば、次第に冷たさは気にならなくなると思います。

普段、自分のおなかを直に触ることもないかと思いますが、これを機会に、毎日何度も触ってみてください。食べた後、寝る前、眠くなった時、起きたすぐ後・・・ぜんぜん温度が違いますから。触るたびに「ああ、カラダの中で頑張ってくれているんだな」と思うようになり、自然と無理はさせないようになっていくと思います。

最後に、「おなか」を冷えから守る超カンタンな方法をお伝えしましょう。

これからアイスを食べる時には、「これ、マイナス18℃なんだよなぁ・・・」と、頭のどこかで温度を思い出してみてください。この数字を思い浮かべるだけで、暴飲暴食は避けられると思います。

夏のおなかは冷やさない。この夏からぜひ、試してみてください。

ラボのつぶやき

いよいよ本格的な夏到来! 夏に冷たい物はつきものなのに、今回はあえて「冷やさない」という真逆の話をしました。でも、夏になると逆に「冷やしすぎて寒い」と感じる場所もありますよね。バスや電車、ショッピングモールの中など、入った瞬間は「涼しぃ〜」と思うものの、外気温との差がありすぎて、すぐに寒くなってしまう・・・なんて人もいるでしょう。そんなときのために、カーディガンやストールなど「羽織れるものをプラス1枚」持ち歩く習慣をつけておくことをお勧めします。王道ですが、冷房対策としてはかなり有効です。同時に、寒さから守るべき場所は「3つの首」だということも、覚えておきましょう。手首、足首、そして首です。この3つの首を重点的に温めてあげると、わりと短時間で全身がほんわりとしてきますよ。ぜひお試しください。