宝ものは君たちの中にある

コラム『「ない!なんでないの?!」の時でも オタオタしなくなる探し物の極意』

2024年2月15日掲載

こんにちは。MYスイッチのスイッチラボです。

さて、本日のラボの深掘りテーマは「探し物」です。

「探し物」とくれば、昭和・平成の時代を謳歌した人のほとんどが、「♪探し物は何ですか〜♪」と実際に歌う、もしくは脳内歌唱のスイッチが入ると思いますが(笑)、世代によっては「なんのことやら・・・」というリアクションかもしれませんね。

そんなことはさておき、「あるはずの物がない!」という場面は、日常の中でたびたび起こります。中には探しものが趣味なのか?というくらい、四六時中「あれがない」「これがない」と、何かを探している人もいますが、探し物をしたことがない、という人はいないほど、人は常に何かをなくし、それを見つけようとします。

スイッチラボ的、探し物調査まとめ

探し物に関する調査は、ライターメーカー、文房具メーカー、オフィス機器メーカーなど、様々な企業や団体が行なっており、それぞれ興味深い結果が出ています。興味があったら「探し物調査」などのキーワードで検索してみてください。面白い記事がザクザク出てきます。

そういった記事を読んでみると、よくなくなる物トップ3は、「鍵」「ペン」「お財布」でした。最近では「スマホ」が上位ランクインすることが多くなり、ほかには「メガネ」「スマホの充電器」「腕時計」「指輪」「本」「ノート」などが挙がっていました。

さらに、探し物に費やす時間の調査に至っては、年間15時間、54時間、150時間と結構数字はバラバラですが、わかりやすいように「1日5分の探し物」で計算してみましょう。

1ヶ月で5分×30日=150分=6.25時間

1年にすると、5分×365日=1,825分=76.041667時間

なんと1年のうち76時間! つまりは1年のうち丸3日以上も「探し物」をしている計算になります。たかが5分、されど5分! これぞリアルな「チリも積もれば山となる」ですね。

そもそも、探し物をしている時間は、したいこと(やるべきこと)をするために費やす時間です。見つかったところがスタート地点(ゼロ地点)ですから、探している時間は、正真正銘のタイムロス。生産性のないムダな時間なのです。

時は金なり。ただでさえやることが盛りだくさんで、貴重な時間なのですから、極力ムダな時間は使いたくありませんよね。

そこで今回のスイッチラボでは、気持ちと行動の2つの視点から「探しもの」にアプローチした、スイッチラボ的『探し物の極意』をお伝えいたします。

物をなくすって、ドキドキするし不安になるし、見つからなかったらショックが大きいですよね。それが大切な物ならば、なおのこと。そんなマイナスの気持ちにならないためにも、皆さまには今のうちから「探しものの極意」を身につけて、「探さない人生」のど真ん中を歩んでほしいと思います。

あるはずものがない! そんな時あなたはどうする?

「あれ? どこにいったんだろう?」

「昨日まで、確かにここにあったのに・・・」

モノというものは不思議なもので、必要な時に限って、必要なものが見当たらなくなるもの。そう、まるで何かのいたずらか、はたまたは神隠しにでもあったのか・・・。

でも、よくよく考えてみると、物が勝手に動いたり、隠れたり、消えてなくなるはずはありませんよね。「なくなる」には「なくなる」だけの原因があるのです。

「なぜモノはなくなるのか?」という原因を追求する前に、まずはシミュレーションしてみましょう。こんなシーンです。

出かけようと思ったら、家のカギがありません。いつもは玄関近くのカギ置き場(トレイ)に置いておくのが我が家のルール。なのに、今日に限ってトレイは空っぽ。影も形もありません。周囲に落ちているわけでもなく、ポケットを探っても入っていません。玄関にひとり立ち尽くすあなた。約束の時間は刻々と迫ってきます。まもなく出かけなければ、大切な約束に間に合いません。

カギをかけずに玄関を開けっぱなしにして出かけてしまうのか?

  →遅刻はしないけど危険すぎ。空き巣に入られたら大変!

相手に事情を話して、見つかるまで探すか?

  →「カギを見つける」という目的のために、相手の時間を奪うことに。

それとも出かけるのをあきらめてしまうのか?

  → 安全と引き換えに、大きなチャンスを逃してしまうかも?

さぁ、あなたならどうする?!?!

はい。イメージできましたか? 同じような経験をした人も、きっとたくさんいると思います。

「どうする?」と聞かれれば「探す」という答えしかないと思いますが、ここで焦点を当てたいのが、「探すときの精神状態」です。

「ったくもう・・・」「何やってんだ」と、不機嫌、ややキレ気味で探す。

「ヤバい、ないっ!ないっ!」「どうしよう」と、不安になりながら探す。

「おっかしいなぁ〜〜、なんでないんだろう?」と、カギがない現実を受け入れられないまま探す。

多くの方がこんな心境で、探し物をすると思います。タイムリミットが迫ってきているとしたら、「焦り」や「心配」、相手に対する「申し訳なさ」といった負の感情がどんどん加わっていきますから、その心中たるや、ますます穏やかではいられなくなることでしょう。

探し物って、本当にイヤですよね。

合言葉は「ない」ものは「ない」!

では、ここからが本題。スイッチラボ流の探し物の“極意”をご披露したいと思います。

合言葉は「ないものは、ない!」です。

ん? ないものはない? あるの? ないの? どっちなの? と思った方、鋭い! さすがです。

日本語とは本当に奥深いもので、このワンフレーズで2つの解釈ができてしまいます。

ひとつは「ないものは、ない」。つまり「なくしてしまったもの(遺失物)」は、今は手元にない。ここに「ない」ものをいくら探しても仕方がない。あきらめなさいという意味。

もうひとつは「ないものなんか、ない!」、つまり「絶対にある!」という意味です。

スイッチラボのお勧めは、もちろん2つ目。「ないものなんか、ない!」、つまり「絶対にある!!!」という気持ちで、探し物をしてほしいのです。

人の脳は「見たいものしか見えない」という特性があります。

あれがない! どこいった? ないっ、ないっ(汗)という気持ちで探すということは、「ないないメガネ」をかけて探し物をしているようなもの。すぐ目の前にあったとしても、「ない」という気持ちが先に立っているので、目に入らずに見逃してしまうことが多いのです。

そして、「ここにもない」「あっちにもない」と「ない」が重なると、どんどん気持ちが焦ります。焦るとどんなに優秀な人でも実力を出すことができません。見つからないから焦る。焦るから、もっと見つからない・・・はい、負のスパイラルの出来上がり。

実際に、いくら探しても見つからなかったのに、ちょっと休憩をはさんで仕切り直しから探し出すと、いとも簡単に見つかった経験がある方も多いと思います。これは気持ちを切り替えたことで、「ないないメガネ」が意識からはずれたからなんですね。

また、同じ場所でも、他の人に探してもらうと、これまたいとも簡単に見つかることがあるのも、同じ理屈。その人は「ないないメガネ」をかけていないフラットな状態で部屋の状況を見ていたので、探し物を発見しやすいのです。

反対に「ある、絶対にある!!」と信じてから探し物にあたると、あら不思議。「ある」ことが前提となっているので、探しているうちにだんだんと落ち着いてくるんです。冷静さを取り戻すことで、「待てよ、確かあの時・・・」と、最後に鍵を使ったシーンを思い出す、心の余裕も生まれてきます。

「ない」と思うか、「ある」と思うか。たった2文字の言葉の違いで、その結果は大きく違うものになります。こう考えていくと、「人間は思った通りになる」と言っても過言ではありません。

「できる」と思ってやればできる。最初から「できない」と思ってやると、やっぱりできない。できない時には、「ほら、できないでしょ」「やっぱり自分では無理なんだ・・・」なんて思ったりもしがちですが、ここでキッパリと言わせていただきます。これって「できない」と思ったことを実際に叶えているんですから、相当なパワーを持っているってことなんですよね。

「最初に言葉ありき」と聖書には書かれていますが、探し物はもちろん、何をするにつけても、「最初に何を思うか」は、とってもとっても大切なことなのですね。

「ない」に気づいたときにやってほしいこと

「ない」ことに気づいた時。「ある」を前提に行動してほしいことはお伝えしましたが、それだけだとちょっと抽象的だと思うので、スイッチラボらしく、具体策までお伝えしたいと思います。

1)まずは慌てず、深呼吸

焦ってなにかをやっても、良い結果にはつながりません。何を置いても「落ち着く」ことが一番です。大きく息を吐いて吸って、吐いて〜〜(最初に吐いてね。そうすると自然と息がいっぱい吸えます)、これを2〜3回繰り返せばOK。脳に酸素が十分に送られるので、気持ちがシャッキリします。

そして力強く「ある!」と信じてください。

2)記憶を呼び起こす

捜索を続けながら、「最後にカギを見たのはいつだっけ?」「どこで見た?」と、記憶を辿っていきます。実際に今、家にいるわけですから、カギを開けて入ってきたわけですよね。ということは、家の中に必ず「ある!」ということです。

3)いつもあるはずの場所から探す

最初は小さなエリアからはじめて、徐々に範囲を広めていきましょう。カギならばいつもの置き場所から始めて、帰ってからの行動をなぞってみるのも良い方法です。

4)余裕があったらついでに片付ける

これは時間と気持ちに余裕があったらでもちろん結構です。物を探しながら「ここ、ごちゃごちゃしているなぁ」と気づいたならばしめたもの。このごちゃごちゃが探し物のハードルを上げている事実を実感すれば、自分の中の「片付けスイッチ」も、自然とオンになりやすいのです。

「探し物」をなくす方法はとってもシンプル。「置き場所(定位置)」を決め、必ずそこにおくように徹底する。以上。さらに物が少なく、いつも整理整頓されていたら言うことなしですが、なかなかその理想にたどり着けないのも人間らしさだと思います。どんなに注意を重ねても、物をなくす時にはなくしてしまうもの。

だからこそスイッチラボは思います。物を「なくさない」ように気を付ける人になるよりも、物がなくなった時にこそ「テキパキと動ける人」になってほしいと。

そのための合言葉は、「ないものは、ない!」

大事なことなので、もう一回言いますね。

「ないものは、ない!」

そして加えてもう一言、「絶対にある!!!」

ないと思うから、見えてこない。絶対にある!と思って探そう。

そうすれば、きっと見えてくる!!

この気持ちで探し物に向き合ってくださいね。

ラボのつぶやき

今回は「探し物」にスポットを当てて、本文では「カギ」がなくなったシーンをシミュレーションしてもらいました。ここでラボメンバーの面白い実話を紹介しましょう。

ある日のこと、よくカギをどこに置いたか忘れてしまうメンバーは、ふと名案を思いつきます。「ここなら絶対に忘れない!」と、ちょっとイレギュラーな“ある場所”にカギを置いたのです。その時は「なんて名案を思いついたんだ(「自分、偉いぞ!」」と、気分よくそのまま仕事に没頭。そして出かける時間になって、いつもの場所にカギがないことにハタと気づきます。そりゃそうですよね。ちょっと前に自分自身で違う場所に置いたのですから。

その時点でプチパニック。もちろん探し回ります。ない、ないぞ。コートのポケットにもカバンにも入っていない。部屋の中にもどこにもない。でも、出かけなきゃ! もういいや、玄関開けっぱなしで行ってしまえ! と、勢いよく靴を履いた瞬間・・・! ジャリ!! い、痛いっっっ!!!

そうなんです。絶対忘れない“ある場所”とは、なんと「靴の中」だったのです! 確かに靴を履く時に必ず鍵の存在に気が付きますから、まさに「名案」ではあるのですが、肝心の「靴の中に入れた記憶」を忘れしまっていたとは・・・。忘却が明暗を分けてしまったという、まるでコントのようなお話でした(笑) 本人談によると、今でもあの時の音と足の裏の痛さが忘れられないそうですよ。

ここでまた新たな興味が生まれました。人はなぜ忘れるのか?・・・これも永遠のテーマですね。また別の機会に深掘りしてみたいと思います。