コラム『そもそも「スイッチ」って何だろう?』
「スイッチ」と言われてすぐに頭に浮かぶのは、「電気のスイッチだ」と思います(ゲームのスイッチの方が多いかな?笑) 入れれば電気が点いて明るくなり、切ると暗くなる、例のあれです。スイッチを入れることを「スイッチオン」、切ることを「スイッチオフ」とも言いますね。
滅多にない機会なので、「スイッチ」という言葉を、改めて辞書で調べてみました。
<広辞苑>
(1)電気回路を開閉する装置。開閉器。点滅器。「—を入れる」「—を切る」
(2)鉄道の転轍てんてつ機。ポイント。
(3)交替すること。切り換えること。「ピッチャーを—する」
なるほど。電気をつけたり消したりするスイッチの他に、「交替する」といった意味もあるんですね。では、念の為、別の辞書でも調べてみましょう。
<大辞林>
(1)電流を通したり止めたり、また、切り替えたりする装置。開閉器。点滅器。
「—を入れる」「—を切る」「—-オン」「—-オフ」
(2)鉄道線路の切り替え装置。転轍(テンテツ)器。ポイント。
(3)位置・方向・やり方などを切り替えること。「右投手から左投手に—する」
(1)と(2)はだいたい同じですが、(3)が少し違うのが面白いですね。
広辞苑では「切り換えること」とあったのが、大辞林では「位置・方向・やり方など」と、より具体的な説明になっています。
このように、同じ言葉(単語)でも、辞書によって説明が違います。今は便利なインターネット検索が無料できるので、一度で満足するのではなく、複数の辞書サイトで調べてみるクセをつけておくといいでしょう。
さて、言葉の意味がわかったところで、スイッチラボ的考察開始!
そもそもは電気のオンオフをするための装置なのに、疲れて元気が出ない、お腹がすいた、起きられない・・・と言った時に「スイッチが切れた」と言ったり、宿題などやらなければならないことがあるのに、なかなかやる気にならないときに「スイッチが入らない」なんて言ったりしますよね。
機械ならば電流が流れなければ動かないのは当たり前。でも、人間なのに、なんで電気・・・? と思ったことはありませんか?
でも、これってものすごーーく正解なのです。なぜなら、人間のからだには、電気が流れているから!!! 実際に流れているのは、ごくごく弱い電気なのですが、目で物が見えるのも、筋肉が動くのも、言葉が話せるのも、ものを考えられるのも、みーんな神経に電気の信号が流れるおかげなのです。
えー?電気? 信じられな〜い、という人もいるかもしれませんが、冬の寒い、乾燥した日によく起こる静電気。「パチン!」となって、痛い思いをしたこと、ありますよね。これこそ人間の体に電気が流れているおかげで起こる現象です。他にも下敷きで髪の毛を擦ると、見事な逆毛ができるのも、電気のおかげです。
人間のからだに電気が流れている以上、スイッチが入らないと、うまく動かなくなるのも当たり前。ならば、うまく電気が流れるようにするには、どうしたらいいんだろう?・・・
こうやって「そもそも」からひとつずつ積み上げて考えていくと、「スイッチの入れ方」も、いつもとは違う角度で考えられるはず。ただ「やる気が出ない。やだなー」と思っているのと、「どうすれば電流がうまく流れるのか?」と考えるのでは、全然違いますよね?
慣れないとちょっと面倒に感じるかもしれませんが、こうやってひとつひとつ丁寧に深く考えていくのが、スイッチラボの面さです。これからもお付き合いくださいね。
最後になりますが、人間のからだに電気が流れるしくみを詳しく説明すると、ものすごく長くなってしまうので、ここではあえて深掘りしませんでした。少しでも興味を持ったら、ぜひ調べてみてください。きっと今までとは違う「スイッチ」が入るかもしれませんよ♪