コラム『なぜ遅刻をしちゃ いけないの?』
あと10分・・・いや、あと5分寝かせて・・・。そうやってぬくぬくと布団の中にいる時間って、とっても幸せですよね。その気持ち、とてもよくわかります。でも、この「5分、10分」という気持ちが「遅刻」の大きな原因のひとつです。
「時刻に遅れる」と書いて「遅刻」。遅れる理由はいろいろありますが、だいたいこんなところではないでしょうか?
・寝坊した
・身支度にに時間がかかり、いつもの時間に出られなかった
・忘れ物を取りに帰った
・交通機関が乱れていた(天気のせい、事故など)
・想定外の事態が起きた
(自転車がパンクした、階段で転んだ、道端で困っていお年寄りを助けたなど)
天変地異や想定外の事故など、不可抗力ももちろんありますし、体調不良などにより、いつものように動けないことも時にはあると思います(人間だもの)。
そういった「理由(という名の言い訳)」はいったん横に置いておくとして、いざ、遅刻が決定的になった時に、「あと10分、いや、せめてあと5分早く起きていたら・・・」と、後悔することになるのです。
この「5分、10分」の考え方、感じ方って、同じ人間でも場面によってまるで違うのが、とっても面白いですよね。思い、これこそスイッチラボの研究テーマに相応しいと思い至り、これからもちょいちょい遅刻についての考察は重ねていきたいと思います。
本当に「たったの5分」なのか
では、遅刻することのメリットは「ほぼなし」だと思いますので、デメリットをあげていきましょう。
「遅刻=約束の時間を守れない」ということですから、度重なるにつれ、
・だらしない人(いろんなところでルーズ)
・信用できない人(いざというときに約束を破る)
・まわりに迷惑をかけても平気な人
というレッテルを貼られてしまうのは、致し方ないことですね。でも、ここで人間の真理として、「えー、たった5分じゃん」という気持ちが出てくると思います。
そうなんです。たったの5分。1日24時間の中でも、ほんのちょっとの時間です。
でも、「えー、たった5分」と軽く言ってしまう人ほど、「たったの5分じゃない事実」に気づきもしないのです。・・・いつか気づいて欲しいですね。
もし「バスで遠足」だったとしたら?
学校でも塾でも、授業の開始時間は決まっていますよね。なぜ決まっているのか? それは集団行動をスムーズに、なおかつ快適にするためのルールとして必要だからです。
いつもの授業だとわかりにくいので、ここでは「9時出発のバスで遠足」のシーンをイメージしてください。
A君はギリギリで焦るのがイヤなので、余裕を持って20分前の8時40分には集合場所に到着しました。トイレに行ったり、飲み物を飲んだり、持ち物を確認したり、友達とおしゃべりしたりと、バスの発車時刻までゆったりと落ち着いた時間を過ごします。
そこに、遅刻常習犯のB君が5分の遅刻をしてきました。理由は寝坊。ワクワクし過ぎて眠れなかったようです。「たったの5分」の遅刻ですが、その5分の中には、こんなドラマがあるんです。
1)B君が来ないので、バスは出発することができません。完全なるロスタイム。みんなを「待たせて」しまっています。
2)B君来ないね。どうしたんだろう?と、当然、みんな心配しますよね。途中で何かあったのではないか? もしや事故に巻き込まれた? それとも体調が悪いのか? 時間にするとたった5分でも、人に心配させるって、とっても申し訳ないことだと思いませんか?
3)場合によっては先生がB君を厳しく叱るかもしれません。B君が叱られるのは自業自得としても、人が叱られるのを聞くのはいい気持ちではありませんし、せっかくの遠足の楽しい気分も半減です。逆に遅刻をしても何も言われないなら、「なんだ、遅刻してもいいんだ」と思って、次から遅刻をしてしまう人が出てくるかもしれません。いずれにしても、人に悪影響を与えてしまいかねないのです。
4)A君は、余裕を見て20分前に来ているにもか変わらず、たった一人のせいで予定通り出発できませんでした。人によっては「A君は勝手に早く来た」というかもしれませんが、万全な状態で来ている人が、寝坊した人のせいで予定通りの行動ができなくなるというのは、おかしな話ですよね。これは別の角度から見ると「その人の時間を奪っている」ことになるのです。
社会に出れば「「5分、10分」の差が大きくなる
友達同志の待ち合わせなら。5分10分は大した問題ではないとは思いますが、これが社会に出ると、そうはいかない場面がたくさん出てきます。たとえば、飛行機や新幹線の出発時刻に5分遅れたら? 当然その便には乗れませんし、料金が戻ってこない場合もあります。次の便に乗れればラッキーですが、それができない場合は、たった5分の遅刻が、何時間にも膨れ上がってしまうのです。
では、分刻みで行動しているめちゃくちゃ忙しいアイドルと会う約束に5分遅れたら? もうこんな至近距離で会うチャンスは2度と来ないかもしれません。
ね。たかが5分。されど5分。小さなうちから「遅刻が及ぼす影響の大きさ」を具体的にしっかりとイメージして、時間感覚をしっかりと身につけていって欲しいと思います。